《神鳴らす謎》
移動中に、パッと照らされるのを感じて空を見上げてみれば、明るいのと暗いのとが入り混じる空の中に、ピカッピカッと閃くものがある。
「雷かぁ、こりゃ一雨来るかもな」
間もなく大粒の雨が降り出した。
雷の方は暫くするとさっさと何処かに行ってしまい、雨も強かったのはほんの僅かな間でそれも何処かに行ってしまった。
さっさと現れ、さっさと仕事して、さっさと去る。
「シンプルだなぁ」
そう感心しつつ「あの子ら何で雨嫌いなのかね」と、少し前に色々な調べ物をしていた時に浮かんでいた謎が再浮上した。
あの子ら、と言うのはこの存在達のことである。
昭和期に人気を博し、現在も息長く活動を続けるサンリオキャラクターの一つであり、中々謎の多い存在で気になっている。
まず左から順に「次男・三男・長男」となっているのが謎。
皆様御承知の通り、雷の発生を観察すると、まず予兆の様にゴロっと音がして、その後に稲妻がピカッと来て、最後にドーーーンと雷鳴が響く。
ゴロゴロ音を天の意志とすれば、それは「のぞみ」であり、これが「ひかり」を通じて世に響き渡り「こだま」するシステムは、この存在と同じである。
新幹線は到着が早い順に「のぞみ」「ひかり」「こだま」となっている。
ひかりは東海道新幹線開業の年である1964年生まれで、1992年に誕生したのぞみより先。
こだまはのぞみより、在来線としてはひかりよりも先に出て来ている呼び名なので、世に出た順で行くと「こだま」「ひかり」「のぞみ」と逆になる。
だが、ゴロピカドンは生まれた順に名前が割り振られるのではなく、かと言って逆から進むでもなく、チョイずらしの「2・3・1」となる呼び方。
奇妙な巡り方だ。
何故なのだと随分調べたが、公式の見解を始めとしてこの件を取り挙げたものは、全く見つからなかった。
どうでもいいっちゃどうでもいい話なのかも知れない。
だが、際限のないお喋り好きで、どんなに大きな重箱の隅でも必ず誰かがほじくり返している様な不覚社会が、ここまで無反応なのは珍しい。
この世間のスルー加減を含め、「順に呼んだらドンゴロピカでは?」の謎は謎なままなのだ。
謎の二番目は先に申し上げたが、雷と雨はセットになって現れることが多いのに、何でか雷様である彼らは揃って雨が嫌いであると言うこと。
カミナリまでまとめて嫌われている感じに。
緑の髪の長男ドンは「まじめで、きちょうめん。発明好きで、ノーベル賞をねらっている」優等生だと言う。
青い髪の次男ゴロは、「ひょうきんで食いしん坊」で「いたずらっこ」。
ピンクの髪の末っ子ピカは「甘えん坊でひっこみ思案だけど、カミナリだいこが得意。動物と話ができる」優しい子らしい。
三者三様に個性的な彼ら。
そんなゴロピカドンに共通しているのが「やんちゃ」と「雨が嫌い」、そして「彼女持ち」であること。
やんちゃな彼女持ちなら人間であれば、雨が嫌いと言う点を隠したり克服しようとしたりするのではと言う気もする。
だが、神様だからなのか何なのか、ゴロピカドンは雨嫌い恐いを隠さない。
「神様だって嫌いなものは嫌いだし、恐がったっていいじゃん」と、これもみんなの心を明るくするサービスの一環なのだろうか。
彼らがやって来た理由について「みんなの心をカミナリの電気で明るくするために地上にやってきました」とキャラクター説明に書いてあるのだ。
「カミナリの国で生まれた3つ子の兄弟」とあるだけで、神様とは一言も書いてないので、精霊とか宇宙人みたいなものなのか。
一方で、使命みたいなものを背負って来ているし、ますます謎めいている。
静かに観察していて、成る程これは神であり、又、神ではない者なのだと言う気づきに至った。
これだけだとチンプンカンプン。
詳しくは木曜記事にて書かせて頂く。
それまで皆様も、もし興味が湧かれたらこの存在達に関する謎に意識を向けてみて頂きたい。
ちなみに彼らのガールフレンドはそれぞれ「アイ」ちゃん、「ラブ」ちゃん、「ユウ」ちゃんと言う。
意を放ち物理次元に具現化する運び。
そして此方から彼方へ愛を送ると言うこと。
どちらも真に生きる上で欠かせない歓びではないだろうか。
何で嫌なの?
(2021/10/4)