呼吸の呼が月の5、吸が日の9にあたるからだと言う。
毎日休まず呼吸することで、生物はその存在を更新し続けている。
ふと、
エラ呼吸って、どんな気分なのかな?
と浮かんだ。
全体一つで、あらゆるものが本質的に同じ。
そうと分かると、体験する機会がこれまでなかったものや、現時点でないものにも興味が湧いたりする。
現時点でと書いたのは、人間によるエラ呼吸を可能にする研究もこの世にはあるからだ。
「そんなことやって何になるんだ」
「陸での暮らしを充実させる方が良いのでは?」
と、思う人々も居るかも知れない。
だが単純に、地球の表面は7割程海に覆われている。
海面が上昇して行けば、ここから少しずつ増えても行くだろう。
行ける可能性がある場所が3倍以上になると言うのは、愉快なことではないだろうか。
行動範囲の拡大は、意識の自由度の拡大とも関係していると感じる。
全ての領域に直接足を運ぶ訳ではなくとも、「行こうとすれば行けるのだ」と言う認識は、人の意識を大きく変える。
何がどこまで実現するかは分からない。
だが、人による新しい呼吸の可能性を広げる人々、呼吸に限らず様々なテーマで、これまでの常識や限界を超えて行く人々は、全体一つの流れに乗って、深い気づきや理解に至る可能性を豊かに持っている。
人間は「惜しみなく出す」と言う時に、主に金銭や手間暇のことを想像する。
だが、能力も部分から全体に向けて出せるものの一つである。
その時必要な出来ることを、大小や多寡、優劣を問わず全て出してみる。
それが出来て、呼吸の呼を出し切った時、驚く程の吸引力で新たな力が巡って来る。