《舞い踊る夏》

「そう言えば、面白い字だな」

と先日、腕組みして眺めていたのが

夏

春は字の中に日が、秋は火が入っていることが見て取れるが、この字は何がどう表されているのかぱっと見には分からない。

調べてみた所、夏の字は人が踊る姿から出来たと言う。

簡略化された楷書の姿ではピンと来なかったが、篆書を見ると確かに人の頭らしくも見える。

字についての解説を読むと、

頭に飾りをつけた面を被り、両袖をひらひらさせながら、すり足で踊っている形

と書いてあった。

結構細かく指定してある。

何か特定の人や場面がイメージされて盛り込まれているのだろうか。

古代の夏には祖先の為に祭が催され、そこでは踊りを奉納していたことから季節の「夏」という漢字が成り立ったと言う。

日本における盆踊りみたいなものかと首を捻ったが、両袖のひらひらやすり足、飾った面とあるので踊る人は結構暑そうだ。

別の資料では「神に仕える巫女さんが踊る朝廷の美しい様子を表す象形文字」と書いてあった。

やはり、特別に高貴とされる場所で特別に選出された人材が行う踊りを表したものであったのだろうか。

一昔前はオシャレは我慢などと言ったりもしたが、高貴も何かと我慢を求められる。

暑さを感じさせず涼しい顔して踊ったり踊らせたりする所に、人は優雅さや威光、権威などを感じて来た。

御神徳があるので暑さなど感じません、と言った超人的な答も人は大好きである。

エゴを手離す気がない人々も、人の限界を超えたい願望みたいなものはちゃっかり持っている。

夏の字を眺めていて、ああ成程となったのが、

目に見える人としての姿が、飾りと面で表現されている。

と言うこと。

面を取れば、皆全て虚空である。

優位や権威を付け足さなければ、夏の字は虚空より生じた人型生命体による全力の振る舞いを表したものと分かる。

春に芽吹いたものが、夏に成長し、秋に実を結んで、冬には新たな芽吹きを生む力が蓄えられる。

循環する四季の中で夏は、万物が成長し最盛に至る季節。

その為、夏の字には「大きい」や「盛ん」の意味もある。

「春が来た！」「青春だ！」みたいに春が心ときめく恋の季節だとすると、「お盛んですこと」となる様な情熱的恋の季節として、人類に親しまれて来た夏。

ひと夏の恋とかは多分虫のスケジュールを採用しているが、踊り出さずにいられないみたいな開放感は、万物の成長する波に乗っているとも言える。

とは言え、不覚の意識には物理次元との一体感がないので、浮かれて遊んでいる状態となっている。

楷書になってシンプルさが出た分、現代の夏の字は飾り面もひらひらもないビキニスタイルで渚を歩く姿にも見える。

そんな夏にもこの所大きな変化が目に見えて現れる様になって来た。

「ワーイ夏だぜ！」の前に「命を守る行動を！」の注意喚起が来る感じ。

浮かれられない位の、ヒートアップ。

環境の熱が人の熱狂を追い越している。

さてこれが意識にどの様な変化をもたらすのか。

その辺りも面白く観察をしている。

熱狂ではなく成長に力を注ぐこと。

万物の成長に貢献し、力を振る舞うこと。

それが真の最盛を生み、それは再生となり更新となる。

日々を新たに生き、長く成したものを秋に実りとして受け取る。

この夏は、成長に意識を向けられることをお勧めする。

すくすく伸びる面白さ。 

(2023/7/27)

《７月のふろく　夏の成長観察メモ》

今夏新たに成長するとお決めになられた方に、お役立て頂けるメモをこしらえました。 

この夏に伸ばし成長したいことを簡潔に、右上の黄色い所にお書き下さい。

それについての具体的な行動、気づいたこと、分かったこと、味わえたこと。

全て自由に、波の中にお書き頂ける様になっています。

特にまとめて書きたいものは、ひょうたんの部分をご活用下さい。

愛と感謝で書き結ばれると、御自身と虚空による成長観察メモが完成します。

ご成長によって全体に貢献出来たことがありましたら、下に広がるピンクの所にお書き下さい。

波と共にどんどん流れて、全体へと更に広く運ばれて行きます。