《暗黙の?》
「そりゃそうだ」
日本の有名な芸能事務所をかつて率いていた人物が、死後その不自然な行いを明らかにされる動きが、海外から起きていることについて、それはそうだなとすぐに納得した。
既にご存知の方も居られるだろうが不自然な行いとは、彼の事務所に所属する中の気に入った人々、若いとか幼いとされる年頃の人々に対する、性的搾取。
雇っているからとか、見出したからとか、見返りを与えるからとか、どんな理由付けをしようと、
相手の自由意志を無視した行いである。
不自然さの元はここにある。
性的な、大きな声で言えないとされるものだから不自然な訳ではない。
それでも、年若い、幼い人達に性的な目を向けることは世の多くの人に取り、これのみで異常事態。
その異常事態が社会をあげてある種“隠蔽されて来た”ことに、多くの国が、殊に西欧諸国が困惑しているそうだ。
確かにおそらく世界見渡しても目立って居るだろう。
「見て見ぬ振りが得意」で「難しいことは省こう」とし「言わぬが花」を美徳とし、「みんながそう言ったら言うし、やったらやる」な国民性。
勿論全ての日本人がこんな感じな訳ではないが、こうした人は多い。
以前、上から日本のことを指して
眠れる巨人
と言われたことがあるが、世間の人がこれを聞いたら寝ていると言う点は背景程度にぼかして
「巨人だって!へへへ!」
と、起きさえすれば凄い存在なのだと言う点だけ鮮明にして、凄くなったと仮定した夢の中で遊ぶんじゃないだろうか。
ぼやかしたり彩色したり、変形させたり切り取ったりと、物の見方にご都合カメラ機能が満載。
そしてほぼ娯楽目的に使われている。
退屈な日常を忘れさせてくれる華やかなステージ。
そこを彩るアイドル達を存在させてくれているのは彼なのだと、くだんの代表に「さん」付けして、ちょっと面白いおじさんかおじいさんでとっても凄い人として扱って来たアイドルファンの人々は、この暴かれ祭にドキッとして居るだろうか。
一昔前なら「死者に鞭打つ」行為は残酷とされて、「余所は余所、うちはうち」の同調で固めて、上手にご都合編集された後、忘却に埋め立てられて花でも飾られていただろう。
だが「やりたいことやって死んだらリセット!はい、逃げ切りセ~~~フ!!」とは、ならないのだ。
「当時のことで現在も苦しんでいる人々が居るし、そもそもおかしなことだったと言う事実は消えない」と、はっきりと指摘が入る様になった。
これは、単に著名な変態を一人炙り出して糾弾すると言うニュースに留まらない。
大勢の人の手で育てて来た、見て見ぬ振りで見たいものだけ集めて編集する伝統。
そこに「何であれ起きていることには目を逸らさずありのまま向き合って行動する」と言う、自然な波が押し寄せて来ている。
言って見れば、思想の黒船。
これが来航した様なもので、ことはもっと大きくて深い。
なあなあのノリから自由意志を認めることへの切り替えが出来るか出来ないかが、新しい波に乗れるかどうかになる。
勿論、自由意志を侵さないと言う自然な流れに沿って動いているから、黒船に追い風が吹いている。
黒船の都合によって変化を促すなら只の侵略なので、後押しは止むだろう。
ことを動かしているのは、誰の都合でもない。虚空の天意、只それだけ。
これから暗黙の了解で搾取する罠にかけるなど、自由を冒涜する様な行いはどんどん廃れる。
性的搾取も、遣り甲斐搾取も、夢をダシにした未来搾取も、難しくなり
「言わなくても…、ね、分かるよね」
を得意としていた人々は、獲物が罠にかからなくなってビックリしたりするだろう。
支配は、了解を生まぬ。
(2023/3/20)