《怪物願望?》
「こいつぁ、まさに怪物だ!」
こんな風に表現する時、2023辺りではそれは大抵常人離れした凄い力を持っていることに対して使う。
「まったく、化け物だぜ!」
などと言うのも、ほぼ同じ。驚嘆混じりの称賛に使用される。
これは使われる様になってから日の浅い表現であり、それ以前は「怪物」と言えば英雄に退治されることで主役の力を引き立てる敵役だったり、フランケンシュタインの様な、人間が生み出してしまった悲しい生き物と言った雰囲気があった。
化け物も、妖怪変化から厚化粧の人まで対象は色々だがどれに向けても、「すごいぜ!」と讃える感じは見られなかった。
賞賛する表現としての怪物や化け物の台頭は、「天才」と言う表現では物足らなくなったことで起きたのではないだろうか。
天才には、「天才的」と言うちょっと和らげた使い方もある。
様々な分野で天才とされる人は居り、それらを全て合わせたら割と世に居る感じになる。
日常で何かを上手く出来たことを「天才!」と褒めても、そこに違和感のある人はもう殆ど居ない。
間口の広さで言ったら味醂&みりん風調味料位開けており、こうした“普及”が起きた「天才」と、「平凡」は世の人々の認識の中で既に薄っすらと地続きになっている。
怪物には「怪物的」と、的は付かない。
言葉も日々変化するのでこれから先、新しい表現として出て来るかも知れないが、2023時点は一般的ではない。
怪物と平凡の間には、未だ隔たりがあるのだ。
隔たりある怪物の力を借りて、都合に合わせてその力を奮いたいと言う願望が不覚の人にはある。
先日記事に登場したエナジードリンクについて調べたことがきっかけとなって、それを改めて感じた。
この商品ブランドは業界を代表する、世に知られた存在だそうだ。
量の多さ、フレーバーの種類の多さ、広告の多さ、イメージ戦略と、様々なやり方で規模を拡大して行く動きは、変幻自在のモンスターに似る。
天才の力と異なり、怪物の力には乱暴な、世間の常識を無視することも可能にする雰囲気がある。
この大きく描かれたマークの様に、爪で何かを引き裂きたいと言う願望がある時。
例えば獲物を仕留めたいとか、制約を壊したい、限界を越えたい、そう言った時に人は怪物のエネルギーを得ようとするのかも知れない。
怪物の力を欲しがる。
「…何故?」
どうして怪物なのだろうかと、黒地に緑の走るマークを眺めていて、「あ!」となった。まず気づいたのは、
この欲を抱くには、自身をどれだけ平凡かつ無力と見なしているかが鍵となる。
と言うこと。
平凡だけではなく、無力がポイントなのだ。
そこから、矢継ぎ早に幾つもの気づきが訪れて「イヤーッホウ!」と手と膝、そして両手も叩いた。
何だか長い話になりそうなので、続きは木曜以降の記事に譲ることにし、一先ず怪物について面白いものをこしらえた。
興味の湧かれた方は、怪物達との対話から始めてみて頂くことをお勧めする。
正体不明の、物とは?
(2023/2/27)
2月のふろく
その1《怪物観察メモ》
メモの中に居る3体の怪物は「どんな怪物か」を自由に書き出してみるメモです。
どんな力があるのか。
どんな性質・性格か。
弱点はあるのか。
どんなことを思っていそうか。
浮かぶままに、怪物達それぞれに書き添えてみて下さい。
その2《怪物昇華メモ》
観察メモで出て来た怪物達の特徴から、「怪物と言うものに対して意識が求めているもの」が見えて来ます。
この中には自分自身にないもの、足りないと感じていたり、あってはならないと感じているものが映り込んでいます。
それをまとめて、紫の欄に記入します。
何故足りないのか、何故あってはならないのか。
観察してみて、意識の中に残っている拘りを発見したら、緑の欄に記入します。
こうした拘りは、エゴの力を借りられたからこそ作ることが可能になり、そして味わうことの出来た、奇跡の怪物と言えます。
そのことを腑に落として消化出来たら、エゴも怪物も祝福して下のピンクの欄に感謝の言葉を記し、昇華なさって下さい。