《音に乗る旅》
不覚にしたら半ば強制的な感じで、人類に自粛生活が広まり出している2020。
集まることが出来なくなり気分が沈みがちになる人々も居ると聞くが、こんな機会こそ集中して向き合うことだ。
何と?
勿論、カミさんである御神体と。
不覚の予定調和が幅を利かせていた頃は、エゴを肥大させた分割意識による喧騒の為に、御神体からのメッセージを聴き取ることが難しい状態になっていた。
例えるなら、野球やサッカーが大好きな旦那連中が肩を組んで応援歌で声を張り上げたり、野次を飛ばしたりワーワーやっていて、傍に居る嫁さん達が何言ってんだか全然分かんない状態。
そこに「おうちに居てね」が推奨されたことにより、大集団が解体されて旦那と旦那にディスタンスが生じ、ようやく酔いの醒めて来た所で、妻である御神体の声を聴ける程の静けさが叶うこととなった。
「そうは言っても、暇と力を持て余した家族が、
おうちに居てもなかなか一人にしてくれないんです」
と仰る方も居られるだろう。
元々繋がりの強い「家族」と言う小集団が、より密着した生活を送ることで心身ともに癒着が強まることは勿論起こり得る。
だからこそ、その中で意識が「ひとり在る」ことは大きなチャレンジとなる。
ひとり在る為には、御神体からのメッセージと言うサポートが欠かせない。
カミさんとの対話は静と動の、二種類に分けられる。
就寝前のひと時や、入浴などで一人きりになれた機会に、御神体に愛を送り感謝しながら行うのは静的な対話。
もう一つ、動的な対話がある。
慣れて自然になって来ると、世間で仕事と呼ばれるものをしながらその対話をすることも出来る。
まだ慣れていないと言う方はまず、カミさんについて「感覚的な理解」を深めて行かれること。
それが出来るちょっとした試みを本日記事ではご紹介申し上げる。
この自粛を機に「うちで踊ろう」なんて提案があったそうだが、発案者のこさえた特定のメッセージに合わせて色んな人が踊るのではなく今回は、
一体、どんな音にうちのカミさんはノルのか
を、幅広く観察してみて頂きたい。
勿論、分割意識である「あなた」もそれを一緒に味わいながら。
コロナは「あっちでもこっちでも騒動が起きてて、ほんと地球って丸いよね」の実感が大いに増す切っ掛けにもなったが、そんな地球上には色んな音楽がある。
これまで意識して来なかった地域や文化圏の音楽をあれこれ聴いてみて、それらに御神体がどう反応するかを観察して頂く。
そして御神体が踊ろうとしたら、どんな動きも止めずになさってみる。
ポイントは「パッと聴いて意味の分かる歌詞がついてない」音楽を聴くこと。
意味が介入すると、そこに沿ってエゴがワーワーし出すからである。
「おうち」でするので公開しなければ、誰にも見られない。
カッコいいとか悪いとか関係なしに動けるので、
「ワッ、こんな動きするんだ」
と、驚くこともあるかも知れない。
先程書いた「そうは言っても家族が…」的な場合でも、例えば家事と組み合わせて「ちょっと一時集中させて」と申し渡してどっかの部屋に引っ込むことは出来るだろう。
そして洗濯物を畳むなり、書類整理なりしながら、音に身を任せてみる。
起こる反応をメモしてみても面白い。
宮司も試してみたが、これ程ロシアンポップで踊れるとは驚いた。
後、アフリカは流石だ。踊ることと生きることが非常に近い気がする。
踊りからちょっと離れるが、全体に流れるやわらかな「幸福感」の様なものを感じたのはタイのヒットチャート。
音楽に「殺伐」とか「毒」みたいなものを含ませてカッコよさを狙う感じが全然なかった。
音と「HAPPY!」が割かしイコールな関係なのかも知れない。
「トムヤムクンとか、辛いのになぁ」
と感心しながら、御神体の行う訳の分からない動きを味わった。
他にも書ききれないが、沢山の場所を音に乗って“旅”してみた。
カミさんとの夫婦水入らずの旅である。
この試みで、
「何だか分からないが無性に響く感じがする」
「何処か懐かしく落ち着く感じがする」
音に出会えたらそれは素晴らしいことだ。
一個人としてこれまで積み上げた「好き嫌い」ではなく、思い入れもないのに分割意識が、御神体が、我知らず反応するもの。
それは、人型生命体としての宿題を解くのに重要なヒントだからである。
聴いて踊ろう、踊って聴こう。
(2020/4/27)
4月のふろく 《音に乗る旅メモ》
文中の「メモしてみても」で閃き、こしらえてみました。
上の、横にリボンのついている黄色い楕円には「どこの地域の」音楽か、鈴のついている楕円には「どんなジャンルの」音楽かを書き、
その下にあるピンクの丸には「御神体の反応」を、隣にある水色の丸には「分割意識が感じたこと」をお書き下さい。
一番下のピンクのポチポチで出来た楕円には、そこから気づいたことや、分かったことを自由にお書き下さい。