《肌身離さず?》
物理次元上に起きる空の旅では荷物検査があるが、進化変容便はあらゆるエゴ由来の付属物を手放し、身軽にならないと搭乗出来ない。
長年積み上げた功績への執着や、常識、コンプレックス、趣味嗜好、選民意識、正義感。
人によって手離し難いものは様々である。
それについては以前、記事にて書かせて頂いた。
手離せないエゴ家財道具を変容フライトに持ち込もうとあれこれ画策する人々については、申し上げることは特にない。
今回は、その先。
分割意識が目覚ましい成長を遂げ、御神体と共に一つ一つ新体験を実践し、素晴らしく変化なされた方の中にも、ご本人が自覚なく「他とは別格にしていたもの」が発見されることがある。
その発見から起きた気づきについて書かせて頂く。
既に手荷物一つ持つ気もない方なのにと首を傾げていたが、上が送って来たビジョンで「ああ、成る程!」と納得した。
その手ぶらで身軽な方が、まだ荷物を抱えた方々と空港で談笑している光景が出て来て、荷物を残していない方の首元に気がついたからである。
首には鎖に通した、ハート型のロケットがかかっていた。
ロケットとは前後に分かれて開く様になっているペンダント。
中には、大抵写真が入っている。
「あぁ、そうだった!すっかり忘れていた!」
と、送られたビジョンに膝を打った。
この様に肌身離さず、自身にあまりに近い所に馴染んだ大切なものは、ひょんなことから「まだ持っていた」と発見されるまで、そのままなのだ。
近過ぎて、ご本人が意識する機会がないからである。
見方を変えれば、他の荷物を殆ど片付け終えた方について観察したからこそ、こちらで分かったものでもある、と言うこと。
この首にかかった目立たない鎖が外れたタイミングで、搭乗手続きのアナウンスがはっきり聴こえる様になる。
嬉しいお報せじゃないかと、手を叩いた。
「やったぜ!」
となったがともあれ、そのペンダント内の大切にしまってあるものを意識が手離すことが、中々の大仕事なのも事実である。
いよいよ気合いを入れて臨むと決めたら、内側に爽やかさが満ちた。
皆様の中にも、未だ両手に荷物満載の方、始めより軽くなってきた方、手に残ったハンドバッグをどうしようかと決めかねている方、色々居られるだろう。
もしあなたの首に、ハート型のロケットがかかっていたら、その中には一体何が入っておられるだろうか。
人生上深く関わるかけがえのない人物か。
こうあるべき、正しき世界のイメージか。
常に意識から離れない特別な思い出か。
年月かけて作り上げ慣れ親しんだ自分像か。
何があるかに意識を向けてみると、進化変容を阻んで溢れ返る手離し難い家財道具が、ロケットの中身を保存する目的で集められていることに気づく。
一番近くで、目立たずひっそりと温存されているものは何か。
そこから起き始める発見もあるのだ。
秘蔵品も、解く勇気。
(2019/12/9)