《愛の実践》 

 

 今月初頭に開かれた会で、「体験こそが進化に大切」という話が出たが、そのことがよく現れる体験をしていたのを思い出した。

 

 会に参加した皆様にお受け取り頂いた、神猿芝居の内容を記した小冊子は、それを作成するのにコピー・プリントの専門店を利用した。知る限り一番質が良かったからである。

 

 

 既存のスピリチュアルでは全く取り扱わないような題材も含めた、ビジュアル的にかなりゴキゲンなものである為、いたずらに周囲をビックリさせてもと、セルフコピー機で大人しく作業していたのだが、起きる事は起きる。

 

 そして、起きた諸々のことからを学んだ。

 

 とは、

 

 紙を補充したことを説明してくれる店員の、背後にあるトレイに、

 

すごい数の江頭2:50が飛び出し続ける

 

 のを見ながら、


 「これ、ふり返ったらビックリすんだろうな」と思いつつ、

 無言で説明に微笑み返すことであり、

 

 とは、

 

 別の店員が、紙づまりを起こしたコピー機の内部から、

 

クッチャクチャの

やっくんもっくんふっくん

引きずり出している間、

 

軽く目を伏せながら、
何とかその場をやり過ごすことであると。


 そうした波の荒い状況でも平静を保てたのはひとえに、

 

何があろうと印刷したものを持って帰る

 

 という個を超えた意志があったからだ。

 

 正直、後から少し「美味しい」と思ったことは認める。
 だが、その時は掛け値なしに懸命だった。

 

 それがカッコいいか、優れているか、得になるか、無駄でないか。

 

 そんなこと考えずに、主役か脇役かも考えずに(全員主役)、ただ一心に何かにトライしてやりきった時、思いがけないほど爽やかな気分になる。

 コピーの店を出た後、連日の入力作業での集中や、そんな店員とのミニゲームで意識もぼんやり痺れてはいたが、吹く風が驚くほど爽やかだった。

 

  これはどれだけ有り難い書物を読んでも、絶対に得られないものである。


 その機会を下さった皆様と虚空に感謝する。

 あと、全力で引っ張り出しながら、紙面にはけして目を向けなかった“プロ”な店員にも感謝する。


 (まあ、受け取れないってのも、ありますが…)

(2016/4/25)