《代役の妙》
先日7日は七草粥を食べる日だった。
そのことを、こぶたを追いかけてて晩まですっかり忘れていた宮司。
材料を買いに行くと、生の七草は蘿蔔(大根)と芹しかない。
フリーズドライの簡易版も全て売り切れ。
「みんな、あの緑のお粥そんなに好きだった?」
と、野菜売り場で驚いた。
「今年は二草か〜、…あ!チャンス!!」
突然意識に訪れたアイディアに、一気にテンションが上る。
アイディアと言うのは、
この機会に新・七草を制定してみる。
売り切れと言う事情による活動辞退なので、誰もクビにせず新メンバーを迎えることが出来る。
見渡せば、残り5枠を遥かに超える面々が並んでいる。
愉快な気分で売り場を回遊し、ノリでカート内にご招待。
結果、本年の七草は芹、蘿蔔、青葱、かき菜、大葉、パクチー、ブロッコリースーパースプラウトになった。
謎のブロッコリ…は、米国の医学者が開発した高成分野菜と、書いてあった。
加熱してもいいが出来たら生でお召し上がり下さいと言う様な説明があったので、そのまま上に乗っけて完成。
七福神が乗った宝船が近づいて来て、よく見たらタイ人とアメリカ人が入ってたみたいなもの。
さぞビックリするだろう。
この七草粥にもビックリした。
驚く程、美味しかったのだ。
もっとパクチーと他のメンバーが争うかと思いきや、実に楽しく混ざって溶け合っていた。
宝船にムエタイの選手が乗っていても特に支障ないことが判明し、しみじみと味わって代役の妙に感心した。
無きゃ無いで、
無いことを元に
楽しんでみると、
驚く程の面白さが味わえる。
七福神は、恵比寿以外は元を辿れば大陸由来の神々である。
パクチーも、中国では香菜、西洋ではコリアンダーと呼ばれ、色んな場所で活躍。
エジプトでも古代から親しまれた。
宝船にファラオだったかも知れない。
だが、それも又巡り合わせ。
たまにドリームチームとなってもいいじゃない。
と、完食して頷いた。
明日11日は鏡開きである。
各々の務め、と書いて各務とも読む。
屈むから来た当て字とか諸説あるが、「国といふくにのかがみとなるばかり みがけますらを大和だましひ」の句の様に、
鑑となるには、光が明らかに映る鏡の様になるまで、句では魂と言われている、意識を磨くことが必要。
それには各々の務めを怠りなく為すことが求められる。
そうしたメッセージを含めての各務であると感じる。
各々の務めを全うした上で、
不意の代役が回って来た折には、
それも引き受け全力を尽くしてみること。
当宮宮司も、観察し記録することが本来の役割で、記事を公開したり目覚めを意志する方々のお手伝いをしたりは、まさに不意の代役。
だが、全力で担っているし、楽しんでいる。
「テリトリーと感じるところ以外は、手が伸びない」傾向のあられる方々は今一度、垣根を定めない働きを意志し、実践されることをお勧めする。
惜しまぬ所に、力は湧く。
(2019/1/10)