《うまれてはじめて帖》
母子手帳の中に、おかあさんが「○月○日 初めて…」と子の初めてを記録したりするが、後にそれを見た当人は「そうだったんだ」等の感想しか浮かばない。
あれはどちらかと言えば育てている側の「肉親としての新体験記録」になる。
今回ご紹介する『うまれてはじめて帖』は当人が、自覚の元に新体験を書いておくアイテム。
これからは毎月1回この様な「ふろく」をお目にかける。
使用方法はとても簡単。
まず、3つのうち1枚目と3枚目を「表・裏」として1枚ずつ、2枚目の中身用の紙を好きなだけ印刷し、まとめて綴じておく。
「これは新しい」「生まれて初めてだ」と感じる体験をして、そこに気づいたら、ピンクのひょうたんに年と月日を記入し、ひょうたんから出ている欄に、起きたことやしてみたことについて自由に書く。
その下にある水色の欄に、どんなことでも「その瞬間に感じたこと」を書き留める。
これで完成。
後で湧き上がった気づきや感覚があれば一番下の、ピンクのフジヤマから出ている欄に書き加える。
記録することそのものが、虚空の富(十未:十全の未知/十味:十分に味わう)を自ら記す弥栄の行いとなる。
書くことは分割意識と御神体の共同作業。
実際手を動かして書いてみると、瞬間は身体記憶として鮮やかに“血となり肉となる”。
だから脳内記憶に留める必要はない。
ノルマ化して集める必要もないし、頻繁に読み返す必要もないが、ふと浮かんだ時に読み返すと面白い発見がある。
それを「あらためて湧き上がったこと」にちょいと書いておくと、連続する気づきが響き合い、活きて来る。
「この年になって初めてのことなんて、なかなかない」等と思われた方。
そんなことはない。
毎日繰り返す決まった手順を少し外れてみるだけで、「初めて」にはすぐ出会える。
「安心出来るお約束」の脇には必ず、未知のルートが走っている。
頭や体のカタい方程、チャンス満載となる。
ピンクや水色はちょっぴり気恥ずかしいと言う方は、色や柄を選んで自ら作ってみられること。
その際はエゴの好みに合わせるのではなく「体験で全体を祝うには、どんな色やデザインがぴったりか」を意識に置かれると、素敵なものが仕上がるだろう。
紙の中でゆるいフジヤマがカタコトめいたOMEDETOを言っていたり、裏で鳥居がTHANK YOUを言っているが、この世を心底から観ると、基本「おめでとう」と「ありがとう」しか無い。
心底とは真底でもある。
“底の辺り”と「底辺」程度でうろちょろしている者は、どんだけ藻掻いても辿り着くことの出来ない静かな領域である。
その静けさを感じ取り、澄んだ意識で、世に満ちる「おめでとう」と「ありがとう」を発見して頂きたい。
それらは、感じようと感じまいと只そこに瞬間瞬間発生し続けて、片時も休まずにあなたのことを祝っている。
さあ、祝い返そう。
(2017/7/24)