(みず)御殿(みあらか)


本日は、ごくあっさりと書かせて頂く。

このところ南の方で続く大胆な空模様に関するニュースを一通り観た後、不意に、日頃馴染んだ祝詞の一片が口をついて出た。

「すめみまのみことのみづのみあらかつかえまつりて

 あめのみかげひのみかげとかくりまして…」

「ん、何だってこの部分を?」


と不思議に感じて興味がわいた。

「みずのみあらか・みやらか」とは、「みずみずしく生気ある宮殿。美しく盛んな御殿。みずの宮」を意味する。

宮殿って、言わずと知れた建造物である。

古くは木造、鉄骨造りが増えてからも、基本建造物とは「物」になる。

その物に生気があるとはどう言う状態か。

 


聖なる神域に建つ美しく盛んな御殿だからだろうか。

閉じた目での知覚と理解はそこで止まるとして、目の開く途上にある皆様の中には気づかれた方も居られるのではないだろうか。

瑞の御殿とは、

御神体のことである。

固定観念による制限を外し、
常に無限の可能性を認め、
真新しい状態で栄え行くのを祝福する。

 


すると御神体は、本来備わっている瑞の御殿としての力を発揮する。

祝いに際して「欲しいもの、アリなものラインナップ」が決まっていれば片手落ちとなる。

 

それでは祝ったのではなく、擦り寄っただけだ。

常に、

健康じゃなくちゃ駄目
安全じゃなくちゃ駄目
勝利じゃなくちゃ駄目
成功じゃなくちゃ駄目

 


それでは真の繁栄には至らない。

選り好みせず、注文もつけずに、全体ひとつの意識で祝福する時。

みずみずしさが全体に丁度良く満ちて瑞の御殿は自然な生き生きとした輝きをみせる。

天から陽光と雨が、順々と穏やかに振り注ぐ、安らけく栄える国を成すのだ。

 

風雨恐れぬ、全一のはたらき。

(2019/7/4)