《深を解く》
「深層崩壊かぁ。成程ねぇ」
雨が沢山降った山の斜面がいきなり崩れたよと言うニュースを観ていて、全体一つの運びの着実さに唸った。
深部の地盤から崩れる現象が起きたので、表層の崩壊では発生しない量の土砂が流れて影響を大きくした。
内側で起きることは外にも表れる。
グッドセンスな皆様にはお気づきの通り、この出来事は不覚の人類意識が構築した“お約束”の深部にまで崩壊が起き始めていることを示している。
深層崩壊は何によって起きるか。
調べてみると原因として代表的なものは、大雨、雪どけ、そして地震だそうだ。
水分と振動。
これらがどう作用するのかと言えば、固い岩盤にも、中には小さな割れ目が沢山入っている部分がある。
そこに大雨や雪どけで大量の水が浸み込み、割れ目に溜まった水の圧力で岩盤が崩れると考えられている。
更にそうした場所に地震による強い揺れが加わることでも岩盤は崩れ、それらの結果、深層崩壊が起きるとのことだった。
盤石にも割れ目あり。
そして、どんなに小さな隙間にも水の力は浸透する。
新しい時代が来てるよと言うお知らせに見ざる聞かざる言わざるな態度を取っていても、その間にもずっと変容の時代に必要な情報は降り続けている。
不覚の人が求める“情報”は、人が好みに合わせて欲しがる飲料みたいなものである。
皆、口に合うものをくれそうな店を求めて、右往左往している。
覚醒して個を超えると言う情報を求めている人も、欲しいのは水みたいに見える、個人にとって好みな味のものだったりする。
そんな風にあれやこれや騒がしく情報を求める動きの最中にも水、つまり個を超えて新時代を促進させる情報はずっと世に降り続けている。
どんなに頑丈そうな固定観念にも矛盾する“穴”はある訳で、その割れて空いた穴の部分に水が溜まり、流れずに留まる。
そして、溜まりに溜まれば当たり前にやがて崩壊する。
おまけにシェイクのサービスも付いているのであれば、尚のことである。
崩壊は解放、と前にも書いた。
深部の解放が起きていると言うのは一つ、変容の時代の進みを示すお知らせと言える。
水の量や勢いが増え続け、促進させる揺れも増え続ければ、深層の崩壊する機会も増える。
ところで深層崩壊の結果として土石流が起こるとなると、水分と振動の他にもう二つ、必須条件がある。
高低差。
そして、
斜めであること。
当たり前の様だが平らかな場所であれば、崩壊したものが下に向かって流れて行き先が埋まったりすることもない。
価値の高低差。
好感度の高低差。
意識の中にそうした高い低いがあれば、その落差が大きければ大きい程、そして意識が中立さを失い斜めになっていればいる程、崩壊した時の勢いも大きくなる。
中立な意識であるかどうか。
中立な意識によって日々観察されている内側は平らかか。
もし残っているとしたらどの辺りに、そうした高低差がありそうか。
この機を活かし、見つめてみられることをお勧めする。
内観は目に見えないものに向かうので、真剣さが鈍り曖昧な状態に留まることも起き得る。
深層崩壊の様子を報道でまざまざと見ることにより、真剣さも増すのではないだろうか。
一層の真剣さを促す意味も含めて起きた今回の出来事なら、受けて立つのが真の大人と言えよう。
深を解く、奥の呼びかけ。
(2021/7/12)