《流動する愛》
この所、ニュースで人間の「いざ事が起きて出て来る、普段は隠している面」を沢山見ている。
人々の間で、様々な言葉が飛び交っているのも聞いている。
「入って来るな」
「頑張れ」
「近寄るな」
「どこまで広がるか心配だ」
テレビのニュースが流れている所に居合わせて「おや」、となった表現がある。
騒ぎの発端となった国が、自国民の出国を禁じたと言うニュースの終わりに、アナウンサーが
「事態をおさめる為、躍起になっています」
と、言っていた。
騒ぎが日本に及んで欲しくないと、警戒する様子で報道していたニュース番組。
その事態収束へ向けた努力に対するコメントで、「懸命」ではなく「躍起」を使うあたり、どこまで自他の溝が深いのだろうか。
出掛けた先に居る人々の健康に影響が及ぶかも知れないことより、自分の目的を優先してしまう旅行者を、愛がないと言うことは出来る。
だが、病が広がりつつある地域に留まって混乱に対応する人々の努力を、冷淡にあしらう理由にはならない。
愛があるのかないのかは、一人一人違っているのだが、こうしたことが起こると、不覚の中でも殊に頭が固く我の強い者達は簡単に「あの国の人」等でくくって一緒くたにする。
そうした者達は普段の、多少の不満はあっても何となくの予定調和に収まる暮らしの中では、気にくわない存在に対する敵意に満ちて感謝のない状態はすまし顔の裏に隠している。
しかし、見えない恐怖が近づいて来るかもとなった時、その仮面は結構脆く「パリン!」と割れるのだ。
来た旅行者を迷惑がって口撃しながら、そのくせ来る数が減って「観光業界は嘆き」と書くニュースもある。
図々しいことこの上ないが、多くては災害となる雪が少ないことも又災害とするのが不覚者なので、「いやぁ、これぞエゴだ」と頷いた。
そんなエゴ祭りが展開される一方で国や人種を越えて、懸命にこの難局を乗り切ろうとするいのちに対し、労りや慈しみを見せる人々もいる。
穏やかに優しい顔が、仮面だったのか地顔だったのか、こんなに分かり易く表に晒される機会もそうはない。
世界規模の緊急事態によって全母たる虚空が炙り出そうとしている、人それぞれに異なる意識状態の有様を、全母と共に、そして質においては同じ全母として、ありがたく観察させて貰っている。
様々なニュースを観ながら、閉鎖された都市の中で、状況に関わらず愛を発揮しようとする人々にも意識が向かった。
直接目には見えず、ニュースにもならなくとも、そうした人々に意識が向かうことが、「彼らの存在」をそのまま示していると分かっている。
“これ”にも、何か貢献が出来るだろうか。
とは言え、出ることが無理なら、国に入ることだって難しい訳で、行った所で役立てることは特にない。
しかし、今ここから出来ることがあるだろうか。
意識に問を放ち、答えに行き当った。
病が猛威を振るう地域に居る彼らは彼らで、今まさにそこに在って必要なことをしている。
こちらもこちらで、彼らにも自らにも恥じない仕事をしよう。
そして、普段より更にも増して、やってみよう、となった。
「更にも」の追加分は、清々しい空気が増えれば、やがて向こうにも届くと気づいたからだ。
この流動する空気による愛の到達は以前に分かっていたことだったが、改めての気づきと言うかたちで意識に蘇って来た。
空気は誰のものでもなく、自由に流動している。
エゴまみれの人間様方が、散々恐れておられる通りに。
こちらは自由な流動を活かして、精一杯の愛を送ることにする。
まだもっと出来るのではないか、出し尽くすには何が必要か。
そんなことを只今は感じ、それに沿って動いている。
愛で動く時、全てが活きる。
(2020/1/30)
《1月のふろく 1/47観察帖》
先月のダーツで射止めた地域についての観察を楽しめる、ふろくをこしらえました。
まず左上の水色の部分に、似顔絵的にその地域全体のかたちをざっくりと描き、その中のどこに行きたいか、又は調べてみたいかを書き入れます。
左下の燈籠マークのついた欄は土地の特色、コケシマークのついた欄は人の特色を調べて書き入れるものです。
実際に行くなどして、事前に調べたことがそうでもなかったり、全く違う発見があるなどしたら、色を変えて加筆します。
右側上段のお土産マークのついた紫の欄には宿題として「自らがすること」、下の小槌マークのついたピンクの欄には、「気づいたこと分かったこと」をメモして、該当地域への理解を深めます。
ダーツに関して、お話を直接伺った方の中で、「A県とB県のちょうど境目」に当たったとのご報告がありました。
そうした結果が出た方は、その両地域の「境」を観察してみられることをお勧めします。
地理や歴史から分かる地域差。
そしてAとBとが違っているからこその面白さ。
別々にあるからこその、有難さ。
一緒にして初めて、“観えて”来ることがあります。