《なんでもないから》

 

安定不安定を超えた何もかも何でもないこと分かった状態。

 

からっと爽やかに、空っぽの状態。

 

空っぽのことを、喪失と結び付けて考える人々は、抜け殻状態など楽しくないものを想像するかも知れない。

 

外側にあったものが「失われて」、心の中にぽっかり穴が空いたよう。

 

この表現だと、心は外側に形を持っていて、そこに穴が空いた感じになる。

 

爽やかな空っぽ状態は、心の中であるとか、一部に限定されたものではない

 

何でも入って来れて、

 

何でも出て行ける。

 

 

何にもないようで、

 

見えないものに、

 

満たされている。

 

満たされているから何も追わないし、満たされているから静か至福味わい続ける

 

 

そして訪れたものから学び楽しみ歓ぶ

 

なんでもないから、理想もない。

 

なんでもないから、もない。

 

なんでもないから、狙いもない。

 

 

何て面白い世界だろうと言う、感心満足はある。

 

世の中が良くない方向へ進んでいると言う人々は、予め設定した「良いイメージ」に合致しないこと・しなくなって来たことを嘆いている。

 

そして不満危機感を起爆剤にして、彼らが思う「良い方向」へと飛び上がろうとしている。

 

だが、予め世界に注文を付けて設定しようとするのが、非現実的なことなのだ。

 

 

実際、世界良くなっていないし、悪くもなっていない

 

世界それそのものが、生きて流動している。

 

良くもなく、悪くもなく、なんでもなく、只、完全

 

来た波に、歓びで乗る春。

(2025/3/27)